映画おくりびと
 第81回アカデミー賞決定


        2009/2/22 日本映画「おくりびと」が米・アカデミー賞 受賞。
        日本では史上初の快挙。日本の文化葬儀。スピリチュアルな
        精神が国外に認められた事になりますね。

        監督 滝田洋二郎
        脚本 小山薫堂
        キャスト 本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、杉本哲太、
        吉行和子、笹野高史、峰岸徹、山田辰夫
         

        この映画は興味があり術後日も経っていないのに見て来ました。
        どうして興味を持ったかと言いますとずっと以前から死後の事など
        私なりに学んでいました。又娘を亡くした経験からも見たかったのです。
        このページの中にも
        「守護霊さま 守護神さま」「自分の死を思い描く」「人間の誕生
        「娘の4回目の祥月命日&思い出」等を書いてあります。

        陰の仕事人「納棺師」にスポットライトを当てた内容の映画で、
        今までこの職業は表に出ていなかったが、アカデミー賞
        受賞で一気に人々の心に刻まれた事と思いました。
        映画の中で展開いしてゆく物語に、納棺師大悟もそうだったように
        観客も悲しく、美しく、優しく、嬉しくもある納棺師の労わりと思いやりの
        所作に、新たに死に対する想いがスピリチュアルに起こったのではと
        思います。
        親兄弟でなければ遺体にふれる事などとても出来ない事だと思いますが
        これからは優しくそっとふれてやれる意識も高くなって来るのでは
        と思います。

        6年半前娘が突然旅立ちました。その時この映画のように、納棺師により
        入浴、着替え、お化粧をしていただきました。(お願いをしたわけではなく
        うなって進みました。)
        映画では入浴シーンはありませんでしたが、入浴は実に丁寧な仕事ぶり
        で感激しました。洗髪から始まり手、足の爪切りまででした。
        爪は「綺麗になさっていますので」と省きましたが温かいお湯で布を一枚
        かけて見えないように二人で、無駄な手の動きなど一手も無く順序良く洗
        ってくれました。次が映画のような着替えです。
        二人でやっていました。最初は綸子のような白装束を着せました。
        (普通はこれで終りです。)私が傍に用意して置いた訪問着を着せました。
        両親の時はファ〜っと掛けたでけでしたが、ちゃんと着せてくれました。
        次に若いからと言う事なのか?
        神子(みこ)さんの衣装に進みました。白の上着に緋の袴です。
        神子さんの衣装は誰でも着れる衣装ではありません。
        突然死でも、この世に未練も残さず人生を全うして、今は神のお手伝いを
        始めさせて頂いている娘の姿だと思いました。守護の神霊のお導きと思い
        有り難く、嬉しさが湧きました。
        次は全てが綿で着せる着物です。前身頃、衽、襟、袖と作りながら着せて
        行きました。
        帯も帯締めも帯揚げも足袋も草履も草履の鼻緒も全て真っ白な綿でした。
        更にうち掛けまで着せくれました。
        内掛けの襟が真直ぐ裾まで伸ばしてあり綺麗でした。
        最後は綿帽子をかぶせて花嫁さんになり、花嫁姿で旅立ちとなりました。
        映画のように納棺師は静かに手順良く進み、回りにいる者は静かに見て
        いました。納棺式に来てくださっていた親戚は始めてみる納棺師の仕事を
        どう受け取って下さったかは分かりませんが、
        (由理子!綺麗にしてもらってよかったね。)叔母の声が聞こえ来ました。
        嬉しかったです。それからメーク担当の方が二人来て
        綺麗にお化粧を施して下さいました。
        通夜の前にもメークの直しに来てくれました。綺麗な顔のまま葬儀場に向
        えました。

        私は納棺師の作業中「由理子!このお部屋の真上から、今、貴女も見て
        いるんでしょう!
        旅立ちの着替えの様子や綺麗になってゆく自分を・・・そして集まってくれて
        いる親戚の人たちを・・・良かったね。結婚式と同じ花嫁姿にしてもらって
        お母さんも嬉しよ」等と話しかけていました。この時私は永久に娘の姿を見
        る事ができなくなること等全く考えてもいませんでし思いも付きませんでした。

        いよいよ告別式当日になりました。式場の御棺の中の娘に顔を近づけて
        婿さんが「綺麗だね!綺麗だよ!まるでお人形さんみたい!」と
        言っていました。
        綺麗な美しい妻の最後を婿さんは深く心に刻み、娘も又旅立の美しい
        花嫁姿を夫に見てもらう事が出来て喜んでいたと思し、
        私も良かったと思いました。
        こうして6年半も経った今でも嬉しい思い出となっています。
     


        映画を見てブログにUPしたものをここに持ってきました。     
     
        2008/10/16

        「おくりびと」が観たくて思い切って行って来ました。
        疲れもなく(術後の)何時も通りに帰宅が出来ました。

        一般的に死は忌み嫌われ、縁起でもないと、タブーとして
        長い年月通って来ていますので、納棺師の仕事は理解できないのは
        当然だと思います。納棺師大悟本人も迷いながらも立派な納棺師と
        なって行きます。「汚らわしい」と言って実家に帰ってしまった奥さんも、
        死に対して理解を持ち始め戻って来ます。

        笹野高史氏が言っていた(火葬の祭に火をつける仕事役)
        「ここは門で多くの人を送った」と門とは良い事仰ると思いました。
            私は死とはこの世の卒業式で、あの世の入学式と考えています。
         決して暗く不吉なことではないと信じます。
         映画の中でも納棺師の心からの愛で最後の見送りを真剣に着替えと
        メークをなさっていた。
        身内は丁寧にやってもらうほど有り難く、嬉しいのです。
        肉体界に居る最後の姿です。綺麗な姿で送ってやりたいのが身内の
        心情です。

        出演者の皆さんの演技の素晴らしさに感激でした。
        全体の構成も素晴らしいと感じました。
        着替えのシーンでは納棺師の一つ一つの所作にやり直しがないのです。
        流れるように次々と進んで行きます。正しくプロの仕事を見ました。

             
                      メークを施している場面

             
         納棺師の大悟。本木雅弘と妻役の広末涼子
                 父親が最後まで握り締めていた文石?石文?を渡す場面です。

        映画館のロビーのポスターを「どうぞご自由に」と許可を頂き
          写した写真です。



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